貸渡証と貸渡簿の違いは?記載事項・保存期間・貸渡実績報告書をまとめて解説
貸渡証はお客様(借受人)に渡して運転中に携帯してもらう書類、貸渡簿は事業者が貸し出しの記録として残し、貸渡しの終了日から2年間保存するものです。どちらも国土交通省の通達で記載事項が決められていて、レンタカー事業者は貸し出しのたびに作成する必要があります。この記事では、貸渡証と貸渡簿の違い、それぞれの記載事項と保存期間、年に1回提出する貸渡実績報告書までまとめて解説します。
貸渡証と貸渡簿の違い
| 貸渡証 | 貸渡簿 | |
|---|---|---|
| 持つ人 | お客様(借受人)。運転者が運転中に携帯する | レンタカー事業者 |
| 目的 | 警察官や運輸支局の職員に求められたときに見せる | 貸し出しの状況を記録する |
| 形式 | 書面、または電子メールなどの電子で交付できる | 書面、または電子データで備えられる |
| 保存 | お客様に渡す | 貸渡しの終了日から2年間保存する |
| 主な記載事項 | 借受人・運転者・車両・貸渡日時・事務所・貸渡人、遵守事項 | 借受人・運転者・車両・貸渡日時・事務所、走行距離・料金・事故に関する事項 |
貸渡証と貸渡簿は記載事項の多くが共通しているため、2枚複写の用紙を使い、1枚目をお客様用の貸渡証、2枚目をお店の控えにする方法がよく使われています。国土交通省の通達でも、貸渡原票を綴ったものを貸渡簿の代わりにできるとされています。
貸渡証の記載事項
レンタカーの取扱いを定めた国土交通省の通達(自旅第138号。各運輸局・運輸支局が同じ内容を公示しています)では、貸渡証に次の事項を記載するよう定めています。
- 借受人の氏名または名称と住所
- 運転者の氏名、住所、運転免許の種類と運転免許証の番号
- 貸し出す車両の登録番号(ナンバー)
- 貸渡日時と期間
- 貸渡事務所と返還事務所
- 貸渡人(レンタカー事業者)の氏名または名称と住所
- 遵守事項
- 運行中は必ず携帯し、警察官や運輸局・運輸支局の職員に求められたら見せること
- 貸渡人から運転者の紹介・あっせんを受けられないこと
- 事故や故障が起きたときの対応方法と連絡先
- 貸渡期間が2日以上になる場合は、借受人が日常点検を行うこと
事業者は、貸渡証をお客様に交付し、運転者に携帯するよう指示する必要があります。2022年6月の改正で、交付は電子メールなどの電子でもよく、携帯もスマートフォンなどに保存した電子データでよいことになりました。紙でも電子でも、記載事項は同じです。
貸渡簿の記載事項
同じ通達で、貸渡簿には次の事項を記載するよう定めています。
- 借受人の氏名または名称と住所
- 運転者の氏名、住所、運転免許の種類と運転免許証の番号
- 貸し出す車両の登録番号(ナンバー)
- 貸渡日時と期間
- 貸渡事務所と返還事務所
- 走行キロ数
- 貸渡料金
- 事故に関する事項
マイクロバスを貸し出す場合は、運行区間・行先、利用者の人数、使用目的も記載します。
貸渡簿の保存期間は2年間
貸渡簿は、書面または電子データで備え、貸し出しの状況を正しく記録したうえで、貸渡しの終了日から2年間保存する必要があります(電子データでの保存は2022年6月の改正で認められました)。紙で保存する場合は、日付順に綴じておくと後から探しやすくなります。運輸支局の監査で確認されることもあるため、記入漏れがないようにしておきましょう。
年に1回提出する貸渡実績報告書
レンタカー事業者は、毎年5月31日までに、前年の4月1日から3月31日までの貸渡しの実績をまとめた「貸渡実績報告書(様式1)」と、3月31日時点の「事務所別車種別配置車両数一覧表(様式2)」を、主たる事務所を管轄する運輸支局に提出します。様式は国土交通省のページからダウンロードでき、紙で窓口に出すほか、Excel をメールで送ることもできます。
様式1には、車種ごとに車両数・延貸渡回数・延貸渡日車数・延走行キロ・総貸渡料金を書きます。走行キロや料金は貸渡簿の記録で確認するため、貸渡簿をきちんと付けておくことが大切です。
貸渡証・貸渡簿を用意する3つの方法
1. 市販の複写式の用紙を使う
レンタカー用の貸渡証の用紙は、通販などで購入できます。2枚複写なら、1回の記入で貸渡証と貸渡簿の控えができます。手書きのため、受付に時間がかかるのと、書き間違いが起きやすいのが難点です。
2. エクセルやワードのテンプレートを使う
自分で作った表に入力して印刷する方法です。費用はかかりませんが、予約の内容を毎回写す手間がかかり、記載事項の漏れにも注意が必要です。
3. レンタカー管理システムで自動作成する
予約の内容から貸渡証を自動で作り、そのまま印刷する方法です。転記の手間と書き間違いがなくなり、予約の記録が残るので、貸渡実績報告書の作成にも使えます。
よくある質問
貸渡証は手書きでも問題ありませんか?
記載事項がそろっていれば、手書きでも問題ありません。通達で決められた項目に漏れがないかを確認しましょう。
貸渡簿は紙で保存しないといけませんか?
紙でなくてもかまいません。2022年6月の改正で、電子データで備えることが認められています。どちらの場合も、記載事項をそろえ、貸渡しの終了日から2年間保存します。
貸渡証をメールで送ってもよいですか?
はい。2022年6月の改正で、貸渡証は電子メールなどの電子で交付できるようになりました。お客様には、運転中に貸渡証を携帯し、求められたら見せるよう伝えましょう。
貸渡実績報告書はどこに出しますか?
主たる事務所を管轄する運輸支局に、毎年5月31日までに提出します。
※この記事は、国土交通省の通達(自旅第138号)と、その内容を公示した富山運輸支局の公示(令和4年6月1日)、国土交通省のレンタカーのページをもとにしています。取扱いが変わることもあるため、最新の内容は管轄の運輸支局に確認してください。
グランドレンタカーなら予約の内容から貸渡証を作成
グランドレンタカーでは、予約の内容が入った貸渡証・貸渡簿を画面から印刷できます。免許証の番号や事故の有無などを記入して控えを綴じれば、貸渡簿として使えます。予約完了メールなどに貸渡証のPDFを添付して送ることもでき、日本語・英語・韓国語・中国語での発行や、白紙の貸渡証の印刷にも対応しています。予約の記録から、貸渡実績報告書も作成できます。
詳しくは「貸渡簿・貸渡証の作成と印刷」と「貸渡実績報告書の作成」をご覧ください。